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5月の展示情報になります。

Face -表情から読み解く‐
前期 2025.5.6(火)ー5.18(日) *月曜休廊
後期 2025.5.20(火)ー6.1(日) *月曜休廊
13:00ー19:00(5.18(日)/ 6.1(日)は18:00まで)
☆5月10日(土)18:00~opening party
どなたでもお気軽にご参加下さい。
前期参加作家:角田笑香、天野雛子、八田亜美、額賀苑子、岩渕毅弘
後期参加作家:アンタカンタ、鈴木玲美、浅野井春奈、芹澤美咲、鳥本采花
表情を主題としたグループ展を前期・後期に分けて2週間ずつご紹介していきます。
私達は瞳や表情、仕草などで察したり、多くの情報を得ようとする習性があります。10名の様々な作家さんの作品を鑑賞したり捉えてみることで、新たな発見や気づきが生まれることを願っています。
是非、この機会に10名の作家の皆様の多彩な世界観をご高覧下さい。
*展示2日目からオンラインショップもオープン致します。
前期作家:角田笑香、天野雛子、八田亜美、額賀苑子、岩渕毅弘
角田笑香 / TSUNODA Emika
現在、角田笑香さんは武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程の油絵コースに在籍されています。角田さんの描く絵画のモチーフで描かれる人物は特に思い入れのある人物ということではなく、あくまでも画面の中の構成要素として、人物を組み入れてると言います。人物や身体の一部が背景や空間と混ざり合い、時に拮抗し、構成することで偶然的にもドラマ性が生まれることもあります。それらが意図的なドラマ性ではなくても、出来上がってくる形、モチーフ、構成が不思議と調和または反発することで、新たな画面が立ち現われ、鑑賞者へと様々な想像を巡らせることとなるで しょう。
天野雛子 / AMANO Hinako
天野雛子さんは武蔵野美術大学大学院造形研究科の油絵コースを卒業され、現在も精力的に活動をされています。
天野雛子さんの描く絵画は、ダイナミックで色彩感覚がとても豊かです。筆遣いの筆致にも力強さがあります。最近は抽象画に取り組んでいるという天野さんですが、今回のグループ展では色彩の響き合いと形の面白さを意識されたそうです。所謂、表情の書き込みではなく、鑑賞者へ「表情」を連想させるような新たな作品展開をご覧ください。
八田亜美 / HATTA Ami
八田亜美さんは東京造形大学美術学科絵画専攻を卒業され、現在も精力的に活動をされています。
八田さんは涙を主題として、自身の記憶や感情、アイデンティティを織り交ぜた作品を作られています。平らに置いた綿布に顔料を垂らすというステイニングの手法を取りながら、制作されています。綿布の画面に顔料を垂らしている中で、自然と自分自身の記憶や感情が呼び起こされ、情景と結びついてくると八田さんは言います。八田さんの描く『涙』の雫から生まれた作品が、鑑賞者に様々な記憶・想像を連想させてくれることでしょう。



額賀苑子 / NUKAGA Sonoko
額賀苑子さんは 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程卒業を卒業され、現在も精力的に活動をされています。
陶器やテラコッタを主な素材として用い、実体と表層、意識と無意識、ペルソナとアニマなど相対する 2 つの価値観を行き来するような造形を目指し制作されています。
額賀さんの作品からは矛盾やズレを感じさせます、「一体これは何なんだろう」と、立体作品の周りをぐるぐると歩き回り、存在そのものを確かめるように眺め、思案させてくれます。作品に使われる陶器なども釉薬を効果的に使い魅力を惹き出しています。

岩渕毅弘 / IWABUCHI Takehiro
岩渕毅弘さんは岩手大学大学院教育学研究科教科教育専攻美術教育専修を卒業され、現在も岩手や東京などを中心に精力的に活動をされています。
岩渕さんは変化していく存在にいとおしさを感じ、それを示唆する形態に興味を引かれると言います。具象や抽象も同じように流動する存在として描きとめる岩渕さんの作品は、人が生きている時間や空間・息遣いを肌で感じさせてくれます。時にそれは鑑賞者の記憶と繋がり、より深みを増してくるのだと思います。今展では木炭を使用した作品展開で、木炭の粒子や奥行き、岩渕さんの描く筆遣いによって描かれた人物の存在をより謎めいた魅力として惹き出しています。

後期作家:アンタカンタ、鈴木玲美、浅野井春奈、芹澤美咲、鳥本采花
アンタカンタ / ANTAKANTA
アンタカンタさんは、幼い頃から描き続けている、想像の中のモデル「マリアカンナ」をモチーフ にした油絵を描かれています。独特の力強い輪郭線を強調した「ネオ・クロワゾニスム」というユニークな表現で、抽象と具 象を自由に横断し、見る人の心に「生きる希望」を伝えています。アンタカンタさんの描く空想上のマリアカンナの瞳、ポーズ、絵画の中でのシチュエーションに私達はいつの間にか惹き込まれ、絵画の中で旅をしたり、物語をより豊かに想像させてくれます。
鈴木玲美 / SUZUKI Remi
鈴木玲美さんは、自分自身の記憶の断片やイメージを可視化するために、人間以外のモチーフや 生物に顔を描くことで他社の存在を感じたり、絵文字のように分かりやすくダイレクトに感情を伝えることを心掛けていると言います。日常にある当たり前に存在するものに感情をつけることで、自分の存在や他社の存在を繋げることを大事にされています。鈴木さんの描く様々記憶の断片の顔達は、とてもユニークに伸びやかに描かれていて、見ている私達もつい微笑んだり、表情の豊かさに見入ってしまう魅力があります。


浅野井春奈 / ASANOI Haruna
浅野井春奈さんは、東京芸術大学彫刻科に在学中に身近な存在として幼い妹のその瞬間にしかない美しさを木に刻みたいと思ったことがきっかけとなり、木肌と人肌の質感にも親和性を覚え木彫で妹の像を制作されました。それ以降、様々な人物像のシリーズを展開されています。
様々なシリーズの中でもユニークでシュールな作品や、人物の表情や仕草を素直に自然体で捉えた作品など多彩な展開をされているのも魅力的です。今展では目玉の部分に七宝焼きを使用されていて、瞳の表情に奥行きと優しさを感じる魅力的な作品展開を見せてくれます。

芹澤美咲 / SERIZAWA Misaki
芹澤美咲さんは、埼玉県立芸術総合高等学校の在学中より、一貫して「自画像」を主題とした作品制作をされています。現在は東京芸術大学大学院 美術研究科 壁画研究分野に在学中で、精力的に制作発表をされています。
「自分自身」を誠実に生きるために、自己や存在について考えながら顔を用いて日々描き続けている芹澤さんの作品は、生きた証と真っ直ぐに見つめる瞳に鑑賞者の私達も問いかけられているような心持ちにさせられ、ドキリとさせる魅力があります。自己と他者がそうした体験をもとに共有することで、感情・実存の自覚と受容を促すことを試みています。

鳥本采花/ TORIMOTO Ayaka
鳥本采花さんは、愛知県立芸術大学大学院 美術研究科油画版画領域を卒業され、愛知や東京をベースに精力的に活動をされています。
鳥本さんは自身の幼少期の記憶や断片をもとに、絵に散りばめて描いていると言います。子供は好奇心に溢れ、自身が何者なのかもまだ分からずとも純真に懸命に生きています。子どもという期間は誰しもが経験する尊い時期です。鳥本さんは自身の記憶を解きほぐすように、純真で真っ直ぐな瞳の子どもを描かれていて、観ている私達もその一途でひたむきな姿、瞳に心を動かされます。
特に特徴的な瞳は牛や羊といった動物の瞳を参考にされていて、人間の瞳よりも優しく、全てを許してくれそうな、しかしながら何を考えているのか分からない不思議な瞳を持っていると言います。


う ね
雨音り
中島宗一郎 個展
2025.6.3(火)-6.8(日)
12:00ー19:00(最終日は17:00まで)
雨が降ってくると、自然と気持ちが落ち着く。静けさの音。
身体へ当たる粒たちとその冷たさで深い所に存在している自分自身と
対峙できる気がする。躍動感のある線と塗りつぶされ発光する黒から生み出される雨や天候を題材にした作品群。活動の場を広げるとともに制作を続ける中島宗一郎の個展を開催いたします。
この機会に是非中島さんの作品世界をご高覧下さい。
中島宗一郎/Soichiro NAKAJIMA
【プロフィール】
1996 長野県中野市生まれ
2022 長野美術専門学校ビジュアルアート科ファインアートライン専攻 卒業
【個展】
2025 “SAMAYOITOKORO”美専ギャラリー
2024 “中島宗一郎の黒展”ギャラリータカハシ
【グループ展】
2025 “3つの夢展”ギャラリー信濃